つみたてNISAと米国株
2018/3/5、7:00時点での状況だよ。
・つみたてNISA
今週の世界の株式市場は先週のトランプ大統領の貿易関税発言で荒れ模様になるかも。
各国の動きに要注意である。
・米国株
先週末はハイテク銘柄に買いが入って安心したけど、2月初めから株式市場はだいぶ不安定だから一喜一憂はできない状況である。
トランプ大統領がまた株式市場をかき回す
現地時間3月1日にトランプ大統領からとんでもない方針が示された。
それは『鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の関税を課す』と言うものである。
当然これには株式市場も反応。
2月に引き続き3月も月初から大きな下落でのスタートとなった。
株式市場だけではなく世界の国々も反応を見せている。
EUは実際に関税を課した場合には、米国からの輸入品に25%の関税をかける報復措置を検討している。
また日本やカナダ、トルコと言った国々と連携して世界貿易機構(WTO)に提訴する事も視野に入れている。
他にもオーストラリアやドイツ、中国などなど至る所から批判されている。
トランプ大統領はアメリカの貿易赤字が拡大している事に対して「なんとかしなければならない」との思いが強く、今回の方針の様な貿易政策を実行している。
輸出ー輸入=貿易収支
トランプ大統領が嫌がっている貿易赤字の拡大だが「そもそも貿易赤字って何?」と思っている方もいるだろう。
『輸出ー輸入=貿易収支』であり
貿易赤字とは『輸出<輸入』の状態である。
逆に貿易黒字とは『輸出>輸入』の状態である。
輸入が増えるほど貿易収支は悪化、赤字になってしまうのである。
外国からの輸入品は価格が国内品より安い場合が多く、国内の企業にとっては驚異になる。
貿易赤字拡大=安い外国製品がたくさん入って来ている→アメリカでアメリカ国内製造品が売れない→国内製造業衰退で製品不足→安い外国製品輸入する→……
負の無限サイクルの完成である。
『強いアメリカを取り戻す』『アメリカファースト』を掲げるトランプ大統領は、アメリカ国内の製造業を強くしたいと思っているのである。
それ故に輸入品に対して関税をかけ、価格面で負けないようにする、つまり『保護主義』ってやつである。
それに加えて貿易赤字の拡大はGDPを押し下げる要因でもある。
輸入品が増えれば国内での生産は当然減るからね。
この事もトランプ大統領の保護主義的な貿易政策に拍車をかけている要因の一つであろう。
ステーキ食べて100%オレンジジュースを飲め
アメリカの貿易赤字は今に始まった事ではない。
1970年代から拡大しており、過去にも今回のように貿易で他国に注文を入れるような事を行なっている。
代表例はやはり日米貿易摩擦であろう。
第二次世界大戦後に日本では経済成長&技術革新が起き国際競争力が高まり、大量の製品を海外に輸出していた。
1965年に日米の貿易収支が逆転(日本黒字、アメリカ赤字)し、アメリカ国内でこの事が問題視され始めた。
1960年代後半 繊維製品
1970年代後半 鉄鋼製品
1980年代 電化製品に自動車、農産物など(牛肉・オレンジ自由化)
ちょこちょこと日本に対して注文をつけてきたのである。
特に1980年代はアメリカの対日貿易赤字拡大でアメリカ人の対日感情も悪くなった。
日本車をハンマーで叩き壊したり、ハリウッド映画で日本企業が入っているビルを吹き飛ばしたり、ワーナー映画で日本製の電子機器の悪口を言ったりとかね。
リーバイスやハーレーの価格が上がるかも
トランプ大統領が貿易問題で動きを見せたのは今回が初めてではない。
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)からの離脱に北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉はすでに行なっている。
TPPに関しては「アメリカに有利な条件であれば復帰する」的な発言が出てきておりどうなる事やら。
「TPPから永久に離脱する」っていう大統領令にも署名してたんだけどね。
NAFTAの再交渉も長引きそうで、いざとなったら離脱をちらつかせる可能性も大いにある。
押して引いてはビジネスマンだったトランプ大統領からすれば当然の事なんだろうけど、アメリカ大統領という肩書きでそれをやられると世界中に影響出るんだよね。
ツイッターでは「貿易戦争は有用で勝つのも簡単だ」ってつぶやいてるし、やりたい放題である。
ちなみに今回の問題でEUが報復関税を検討している物の一部には、ジーンズ大手の『リーバイス』やアメリカバイクの定番『ハーレーダビットソン』など、世界的に有利なブランドの製品も含まれているみたいである。
関税かけて値段が上がって、逆にEU圏内でのブランド価値が上がったりしたら面白いよね。
ブランド製品って高い方が売れたりする場合もあるからこのパターンも十分あり得ると思うんだ。
いずれにしてもこの問題はしばらく尾を引きそうな予感。
今週中にも正式な発表があるそうだから要チェックである。
それじゃあ、また(・ω・`)