つみたてNISAと米国株
2018/3/19、7:00時点での状況だよ。
・つみたてNISA
3月も残すところ二週間ほど。
このままいけば今月も楽天VTIがたわら先進国に勝ちそうだがはたして。
・米国株
EUがIT企業の売り上げに課税する方向で動いているが、ハイテク銘柄偏重の(・ω・`)指数はピンチである。
売り上げに課税は確実に反発必死。
貿易関税問題もありアメリカとEUの対立が悪化しそう。
スピンオフで新たな世界へ
スピンオフとは簡単に言えば『派生』である。
近年はこのスピンオフが非常に多くなってきているのである。
漫画やアニメ、ドラマに映画などの娯楽作品では主人公ではなく脇役にスポットを当てた作品がうけている。
ドラマ『相棒』シリーズの名鑑識・米沢 守を主役にした映画や、漫画では『カイジ』シリーズからは『中間管理録 トネガワ』『1日外出録 ハンチョウ』の二種類をスピンオフとして出している。
食料品でのスピンオフもあり、ココナッツサブレでバニラアイスを挟んだものや、ルマンドを入れたモナカアイスが発売されたりもした。
最近は桔梗屋の信玄餅もスピンオフ祭りである。
アイスにプリン、チロルチョコや山梨限定でカントリーマアムなどなど。
もはや仕事を選ぶ気ゼロ。
老舗の割にフットワーク超絶軽いのである。
ちなみに2018年で発売50周年である。
とまあ最近流行りのスピンオフだが、『企業が社内の一部門を独立させ新たな企業を設立する』と言う意味もある事をご存知だろうか。
スピンオフで企業価値増加
企業の価値というのは一つの部門で決まるのではなく、全ての部門を合わせて決められる。
例えばX社があり、A部門80点・B部門30点・C部門ー40点だったとしよう。
さて、この企業の価値は幾つになると思うだろうか。
単純に考えれば80+30ー40=70点だが、それはブッブーである。
企業の価値というものは実際の価値より割安に評価されやすい。
A部門の評価が高いがB・C部門に足を引っ張られてA部門の評価はだいぶ割り引いて見られるだろう。
よってX社の価値は60(50)+30ー40=50点(40点)あたりが妥当だろう。
A部門が正当に評価されない故に企業価値が下がっているのである。
そこでスピンオフである。
A部門をX社から独立させて新たにXA社(元A部門)とする。
つまりスピンオフ企業の設立である。
こうする事でXA社はB・C部門に足を引っ張られる事はなくなり、正当な評価を受けられる様になる。
そうなれば今まで以上に資金調達がしやすくなるし、独立した事で意思決定も迅速に行える様になるのである。
「A部門に出ていかれたX社潰れない?」と思う方もいらっしゃるだろうが、X社はXA社設立にあたって資金を提供していたりするので資本関係は継続しており、企業グループとしての価値が高まれば問題ないのである。
要は親会社と子会社の関係である。
子どもが稼いでくれれば親は楽ができるのである。
世界的大企業になった例も
スピンオフ企業の例をあげると、食品分野で世界最大の売上高を誇るアルトリアグループから独立した『フィリップ・モリス』。
アメリカの大手インターネットオークションサイトeBay(イーベイ)から独立した『ペイパル』などがある。
フィリップ・モリスは『ラーク』『マールボロ』、最近は『IQOS(アイコス)』でお馴染みの世界最大のタバコメーカーである。
ペイパルはオンライン決済の草分け的存在で世界で2億人を超えるユーザー数、年間取扱高は4000億ドル(40兆円)を上回る企業である。
日本のスピンオフ企業では大成功事例として『ファナック』と『トヨタ自動車』を紹介しよう。
富士電機からスピンオフした富士通からスピンオフしたのがファナックである。
関係性としては親・子・孫である。
ファナックは工場の工作機械用CNC装置で世界首位、産業用ロボットでも世界首位の大企業であり時価総額は2018年3月時点で5兆5500億円ほど。
富士電機の時価総額は5800億円、富士通は1兆3000億円でありとっても大きく成長したのお孫さんなのである。
もはや説明不要の世界でも有数の自動車メーカーであるトヨタ自動車も実はスピンオフ企業だったのである。
独立前は豊田自動織機の一部門で、1937年にスピンオフされ2018年3月の時価総額は22兆7000億円ほどである。
ちなみに豊田自動織機の時価総額は2兆1400億円ほどである。
こちらも意外と言ったら失礼だが、結構な時価総額をお持ちなのである。
さすがはトヨタ自動車の源流である。
ETFでスピンオフ企業をまとめ買いしたいが・・・
母体から独立しスピンオフ企業になるという事は、独立してもやっていけるだけの稼ぐ力があるという事に他ならない。
また独立前は割り引かれていた評価も正当な値になるという事である。
もしそんな企業が株式市場に上場したらどうなるだろうか。
当然、正当評価と将来性の期待から大きく上昇する傾向が強い。
S&P500指数は2003年〜2017年4月までの上昇率は2.7倍だが、ブルームバーグスピンオフ指数は7倍上昇している。
もしこの上昇率を魅力に感じてスピンオフ企業に投資したいのであれば、『Guggenheim (グッゲンハイム) S&P Spin-Off』というETFがある。
ティッカーコードは『CSD』
のだが、どうやら楽天やSBI、マネックスと言った大手ネット証券での取り扱いはないみたいで買いたくても買えぬ。
スピンオフした企業が必ず成功する保証はなく、個別銘柄に投資するのは正直リスクが高い。
だからETFでの投資がしたいところなんだけど・・・。
もしGuggenheim S&P Spin-Off (CSD) を欲しい人がいるのなら、証券会社に取り扱いリクエストメールを送るのをオススメするのである。
一人からでもリクエストがあればそのETFの存在が認識されて、他者との差別化を図りたい証券会社は取り扱う可能性はあると思う。
投資先の選択肢が増えるのは投資家にとっても有益なのである。
それじゃあ、また(・ω・`)